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薬理遺伝学バイオマーカーの臨床実装 莚田 泰誠 先生(理化学研究所 生命医科学研究センター)

2023.02.01

学会

莚田 泰誠 (理化学研究所 生命医科学研究センター)

薬理遺伝学検査は、薬物応答に関する生殖細胞系列の遺伝情報を扱う検査 (遺伝学的検査) と定義され、特定の患者における薬効、副作用リスクや薬物動態などの薬物応答性を予測する検査です。実際、国内では抗がん薬イリノテカンによる重篤な副作用の発現リスクを予測するUGT1A1検査、炎症性腸疾患、リウマチ、白血病、自己免疫性肝炎等の治療におけるチオプリン製剤 (6-メルカプトプリン、アザチオプリン) の投与可否を判断したり、至適投与量を予測したりするためのNUDT15検査、多発性硬化症治療薬シポニモドの投与可否・維持用量を判断するためのCYP2C9検査(いずれも保険収載)、ゴーシェ病治療薬エリグルスタットの用法・用量調整に用いられるCYP2D6検査 (先進医療) の4種類 (5薬剤) が既に臨床応用されています。現在、保険適用されている薬物治療に関わる遺伝子検査は、がん治療におけるコンパニオン診断薬については20検査(35薬剤)ありますが、薬理遺伝学検査はまだ3検査(4薬剤)しかありません。

本演題では、まだ保険適用はされていませんが、副作用のリスク判定にとても有用なHLAマーカーについて詳細を報告されていました。HLAマーカーには、薬物性肝障害・無顆粒球症や薬疹発症リスクと関連するものがあり、オッズ比が2000倍以上になるものもあります。臨床的有用性を実証するために、抗てんかん薬カルバマゼピン適応症例1130人で前向き臨床研究が行われ、その結果、通常治療群の薬疹発症率が5.1%であったのに対し、遺伝子検査に基づいて薬剤を選択することで、2.0%まで低下させることが可能となっていました。

海外ではその他の薬剤についての臨床的有用性実証のデータもあり、中には薬疹発症率が0%に抑えることが可能なマーカーもありました。ただし、日本で臨床実装するには、原因となるアレルの日本人保有率がある程度高い必要があります。またHLA遺伝子は多様性に富んでおり、ゲノム構造が複雑な領域にあるため、正確な遺伝子検査が必要です。そのため、現在のがん遺伝子パネル検査のようなものが必要なのでは、と話されていました。ただ、がん検査と異なり、薬剤投与は遺伝子検査の結果を2-3時間も待つことは臨床の場では現実的ではなく、あらかじめ自分の遺伝子情報を取得し、必要な時に取り出せるシステムが必要だと思います。このようなシステムの構築には情報管理、法制度、医療制度などのルール作りの壁はありますが、私たち国民全体の遺伝リテラシー向上も重要であり、啓蒙活動が必要であると思われます。

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