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⑨ 都市部在住高齢者におけるビタミンK充足度とフレイルの関連 東 浩太郎 先生(東京都健康長寿医療センター研究所)
2022.08.02
学会
東 浩太郎 先生(東京都健康長寿医療センター研究所)
フレイルとは加齢に伴って心身の衰えた状態であり、超高齢社会を迎えている日本においては大きな社会問題になりつつあります。しかしフレイルは適切なアプローチを行うことで、症状を改善させる可能性があり、その一つに食生活があります。中でもビタミンA、D、E などの脂溶性ビタミンの摂取はフレイルの該当と負に相関することが知られていますがビタミンKに関する報告は限られていました。
そこで本研究ではビタミンKの充足度とフレイルの関連性を横断的に評価したものとなります。ビタミンKの充足度の評価には骨芽細胞から分泌されるオステオカルシン(OC)を利用することが可能で、OCはビタミンKによりカルボキシル化修飾を受ける蛋白質であり、低カルボキシル化OC(ucOC: undercarboxylated osteocalcin)と総OC(total OC)の比率(ucOC/OC)の高値はVK不足を反映するそうです。四分位数により低い値から順にQ1からQ4の4群に分割したucOC/OCを主要曝露変数、日本版CHS基準にて判定したフレイルの該当を従属変数とした二項ロジスティック回帰分析を高齢者800人(男性90名、女性710名)を対象に行なっていました。
結果、55人(6.9%)がフレイルに該当し、ucOC/OCのQ1を基準とした際に、Q4のフレイルのオッズ比は2.33で、ビタミンK充足度とフレイルの関連性が示されました。
【所感】
ビタミンKの不足は骨粗鬆症や変形性関節症、動脈硬化との関連がこれまでに報告されています。またビタミンK1は緑黄色野菜に、ビタミンK2は納豆に多く含まれており、やはりバランスのとれた食生活を送ることがアンチエイジングには重要であることをあらためて認識しました。
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