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④舌圧値と慢性腎臓病(CKD)との関連-クレアチニンとシスタチンCとの違い 楠 博 先生(兵庫医科大学総合診療内科学/大阪歯科大学内科学講座)

2022年8月2日

楠 博 先生(兵庫医科大学総合診療内科学/大阪歯科大学内科学講座)

オーラルフレイル、サルコペニアから口腔機能低下症に進展すること、また、サルコペニア慢性腎臓病(CKD)と関連があること、さらに舌圧値と全身のサルコペニアと関連することが既報で示されています。本研究では高齢者についてサルコペニアと推算糸球体ろ過量(eGFR)との関連を調べています。結果としては舌圧が四肢筋肉量、握力などと優位に相関がありました。またシスタチンCで算出したeGFRでCKDと評価された群については舌圧が有意に低いことが示されました(男性AUC0.74(特異度54.8%、感度84.6%)、カットオフ値36.6kPa、女性AUC0.65(特異度67.3%、感度60.5%)、カットオフ値31.8kPa)

【所感】本研究ではeGFRをクレアチニンとシスタチンCの2項目で評価・比較されており、その結果が異なっていました。舌圧測定が腎機能検査を代替するということではありませんが、口腔機能の重要さを意識できることと、採血なしにその場で簡便に測れる点では優れていると感じました。またeGFRと腎機能の関連機序については不明です。