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①日本分析化学会に参加してきました

2022年9月21日

私はこれまで数多くの学会に参加してきましたが、本学会は初めての参加で大変刺激を受けました。本学会は、機器分析による生体、食品、環境中の試料や新規製品開発のための素材の評価、品質管理手法など多くのサイエンスと産業活用の境界で活躍している研究者やエンジニアの演題が数多くありました。化学、光学、電気化学、タンパク質・酵素化学、分子生物学等の多くの分析手法が入り混じった感じがあり、専門分野・対象領域ごとにセッションがありました。COVID-19の検査に関しても多くの新しい検査技術、原理等についての演題がありました。学会全体の印象としては、それぞれの専門領域が高度に専門的であるため学会内でも相互理解が難しい反面、勉強を進め共同で仕事を進めることにより境界領域における専門性・独自性を高めるチャンスがあるだろうと感じました。

また、学会のプログラムとは関係がありませんが、個人的に気になったことがありました。会期中、気温が高く暑さに弱い私にはかなり厳しいと感じました。会場が複数の大学内の会場に分かれており毎回講演会場を移動する必要がありました。私は炎天下の屋外では息がつまりそうになりマスクをはずしていたのですが、他の参加者が(ほぼ)100%マスクを着用しており、ちょっとショックを受けました。国の指針としても、熱中症予防の観点から屋外でマスクの必要のない場面ではマスクを外すことを推奨しています。 分析化学分野は科学的、客観的な評価を追求する学問領域であると理解していますので、その領域の方々が一律にマスクを着用していたことについては違和感がありました。もちろん、気にしない苦痛に思わない方もいらっしゃると思いますし、会場である大学、主催地の行政や周辺住民への配慮もあるかもしれません。ただ、同調的に行動してしまう日本において、専門領域の研究者・エンジニアが国の方針よりも保守的であることについて、また屋外マスク着用の是非、影響について提案、議論、検証の機会があっても良いのではないかと思いました。もちろんこの現象は日本全体でのことですので、本学会だけに申し上げることでもなく、本コラムでは余計なことかもしれませんが、マスク着用の負の影響、特に子供達や若者へ影響を与える可能性についてはもっと考慮しなくてはいけないと考えています。