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②isCGMによる血糖のセルフモニタリングを用いた定期健康診断後の保健指導 加隈 哲也 先生(大分大学保健管理センター)

2023年1月18日

◯加隈 哲也、堤 隆、工藤 欣邦

(大分大学保健管理センター) 

健康診断を受診した HbA1c6% 以上、あるいは HbA1c 5.6% 以上で、かつ BMI 25kg/m2 以上またはウエスト周囲長 男性 85cm、女性 90cm 以上の方を対象とし、希望者にフリースタイルリブレを用いた14日間の血糖セルフモニタリングを実施した結果の発表でした。この血糖セルフモニタリングは上腕部にセンサを取り付け、測定器または携帯のアプリで何度でも血糖測定が可能です。また防水のため、日常の入浴や水泳なども装着したまま可能です。参加者には何度でも血糖測定ができることだけを説明し、具体的な生活指導はしていませんでした。実施者ならびに非実施者の前年度、翌年度、3年後の健康診断データを比較した結果、実施群では生活改善の前向きな行動変化が観察され、治療薬を内服する割合が増加しており、さらに体重、ウエスト周囲長、血圧、肝機能の改善が認められ3年後も維持されていました。1年後BMI改善割合(BMIが-1以上)も非実施群が10.1%に対し実施群は32.3%と3倍ほど高い結果となっていました。また1日の測定回数が多い人ほど、日常生活の改善の意識が高まっており、肥満症に対する治療意欲が有意に上がっていましたが、一方で平均血糖値にはその関係は見られませんでした。これらの結果より、セルフモニタリング自体が行動変容の起点になることが示されました。

【所感】

私も実際にリブレを2週間装着し血糖測定を行いました。これまで血糖値上昇についてあまり考えたことがありませんでしたが、いつでも何度でも測定可能なので、毎食、間食後に測定すると食べたものにより上昇度合いが異なり、中には急激に上昇する食べ物もあり驚きました。私の場合は食べたもの全てを写真に収め内容を記載する必要があり、間食をするたびに撮影・記入が面倒で、そのおかげで2週間は間食が減りました。まさにレコーディングダイエットにもなっていると感じました。今回の検証では血糖測定以外の食事、運動などのデータは取得していませんでしたが、今、自分がどのような状態にあるのか知ることはとても重要で意味があると改めて感じました。今後は現在の食事指導、運動指導をただ行うだけでなく、対象者が自ら考え行動するような保健指導が必要であると思いました。