金沢医大の井口太郎医師の講演では以下の発表がありました。
「手術はあくまでも対症療法である。手術は若手医師にとっては面白いし、病院の収益にとっても重要である。一方で、患者の幸せの観点からは再発予防を指導できているかが重要である。尿路結石はメタボリックシンドロームの一つであることから生活の改善が必要である。結石以外にも、糖尿病、痛風/高尿酸血症、高血圧など食生活に起因する疾患を全て対象として、管理栄養士による寄り添った指導が行動変容を誘導できるのではないか。逆に医師による教育的な指導は全く効果がなかった。(意訳)」
との提言があり、今後についても
「現在の再発予防は目に見えない努力になりがちだが、これからは、管理栄養士の時間とコストを算定し、栄養指導を実施できるようにすべきでは。栄養指導技術の標準化も必要では。」
とコメントされました。
また、他演者も「結石を作る原因の検索こそが再発予防に重要である」としました。
しかし現状では、病院にインセンティブがない現状では積極的に再発予防に対処することは難しいようでした。このことは、糖尿病や他のメタボリックシンドロームについても言えることで、今後、発症・再発予防、重症化抑制などの実績によって施設が評価されるようになるべきと思いました。